乳がんの予防と喫煙・食事・運動の関係
健康的な食事は乳がんの発症の重要な予防ポイントに
現在乳がんに罹患するのは年間約4万人です。亡くなるのは約1万人で女性がかかるがんでは第1位となりました。2015年には罹患は約4万8000人に増加すると予想されています。乳がんの高リスク因子としては、初経が早い、初産が遅い、未出産、閉経年齢が遅い、閉経後で肥満、家族に乳がん患者がいる人などがあげられています。とはいえ、何とか乳がんを予防することはできないのでしょうか?
まずはたばこを止めることです。道産子女性の喫煙率はこの30年間全国ワースト1位に。2008年9月には喫煙率が20・3%と全国平均の12・9%を大きく上回っています。厚生労働省研究班の調査では閉経前女性で喫煙者は吸わない人に比べて3・9倍乳がんになりやすいという結果でした(2005年3月)。さらに会社などでの受動喫煙でも2・6倍です。周囲の喫煙男性は特に周囲に女性がいる場合は、気をつけてあげるべきでしょう。
乳がんを予防する食事・習慣として①植物性脂肪を中心に。②脂肪の多い肉類は控えめに、脂肪摂取は全体の20%以下に。③ 油、特に動物性脂肪は控えめに。④アルコールは乳がんリスクを上昇させる。⑤正常体重の維持をー肥満は明らかに乳がんの危険因子です。⑥ 運動習慣を1日1時間の速歩、1週1時間の活発な運動は乳がんリスクを下げます。⑦四季を通じて野菜・果物を1日5品以上食べましょう。⑧栄養補助剤は必要ありません。みそ汁が乳がん予防に役立っていることはやはり厚労省研究班の研究で明らかにされましたが(2005年6月)高濃度のイソフラボン・サプリメントはむしろ危険因子と考えられています。
以上乳がん予防の要点を述べましたが、最近初期乳がんでも健康的な食事〜低脂肪乳製品、野菜・果物、穀類、鶏肉が豊富な食事〜で再発が減少し生存率が改善するという報告がありま
した(JCO米国臨床腫瘍学会雑誌2008年12月29日)。乳がんの発症、進展いずれにも食事は重要なポイントとなるのですね。